過払い金請求を自分で成功させるために~裁判の必要書類と裁判費用
「自分のお金なんだから、満額取り返してやるぞ!」
このような意気込みで挑めば裁判で勝てる可能性は高くなります。
あなたがご自身の手で、払いすぎた「過払い金」を満額、もしくは貸金業者の和解案より少しでも多く取り戻せるよう、裁判に必要な書類と裁判にかかる費用についてまとめました。
裁判は長引くと1年以上かかってしまうこともあるだけに、書類の漏れや不備をなくし、「より早く」「より多く」お金を取り戻せるようがんばりましょう!
過払い金請求の裁判を起こすために必要な書類
こちらの請求額と貸金業者の和解額が合わなければ訴訟(裁判)となります。裁判をするには、まず訴えの手紙(訴状)を裁判所に提出することから始まります。
訴状は、過払い金の請求額が140万円未満なら「簡易裁判所」、140万円以上なら「地方裁判所」へ以下の書類と一緒に提出します。
1. 内容証明(過払金返還請求通知書)+配達証明
2. 取引履歴
3. 引き直し計算書(法定金利計算書)
4. 資格証明書(登記簿謄本)
書類は2セット+自分の控え、証拠書類には通し番号を必ず振ること
訴状+(1)~(4)までの書類を「裁判所に提出用」「被告(貸金業者)用」に2セット用意しましょう。「自分用」にも控えを持っておいてください。
証拠となる(1)~(3)には、書類の右上に「甲第号証」と赤文字で通し番号を振っておくのを忘れないようにしてください。
【注意】 通し番号の振り忘れや書類の添付忘れに注意しましょう。
書類1.内容証明+配達証明
あなたが貸金業者に送った過払金返還請求書になります。
書類2.取引履歴
取引履歴は、すでに業者から送られてきたものになります。
書類3.引き直し計算書
あなたが取引履歴をもとに過払い額を算出した引き直し計算書になります。
書類4.資格証明書
「登記事項証明書(登記簿謄本)」と呼ばれ、「商業登記事項証明書」もしくは「代表者事項証明書」になります。貸金業者の名称や本店所在地、役員や支店などが記載された書類です。
証拠書類ってどうやって集めたらいいの?
すでに過払い金請求をスタートし、和解額のことで折り合いがついていないので訴訟を起こすということで、(1)~(3)までの書類はすでに手元にあると仮定し、「資格証明書」の集め方についてお伝えしておきます。
資格証明書を取り寄せる際には注意が必要!
資格証明書を取り寄せるには、法務局へ申請しなければなりません。今はネットからでも申請が可能ですので簡単に取り寄せることはできます。ただし、業者の本社や本店所在地を知らないと申請ができません。借入の際の契約書にも載っていますが、古いと住所が変わっていることもありますので、念のため貸金業者のホームページで調べるようにしましょう。
大手銀行などと合併、子会社化していた場合
取り寄せる際に注意が必要なのは、あなたが契約した以降、合併や子会社化している場合です。例えばプロミスのように、三井住友フィナンシャルグループの完全子会社となり「SMBCコンシューマーファイナス」と社名変更しています。
このような場合、訴訟を進めていく上で「社名変更したことの証明は?」となることもあります。個人で訴訟を起こす場合は、そのようなことも想定しておく必要があります。
もし、あなたの過払いが発生している貸金業者が、3年以内を目安に社名変更しているようあれば、「履歴事項一部証明書」と呼ばれる資格証明書を取るようにしておくと訴訟をスムーズに進めることができます。
ネットから資格証明書を申請するには、こちらの法務局サイトから行ってください。
『法務省:オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)』
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji71.html
過払い金請求の裁判を起こすために必要な費用
個人で裁判を起こす場合、思っている以上に安い費用で行うことができます。
① 印紙代
訴訟を起こす(訴訟提起)には「申立手数料」として印紙代が以下のようにかかります。
過払い金の額に応じて購入した印紙は、裁判所に提出する訴状に貼ります。
100万円までは10万円ごとに1,000円、100万円を超え500万円までが20万円ごとに1,000円です。
【注意】間違えて被告(貸金業者)用の訴状にも貼らないようにしましょう。
② 郵券代
6,000円前後。郵便局で買えます。
金額は裁判所によって異なりますが、東京地方裁判所の場合は6,400円です。
③ 資格証明書の取得費用
600円
ということで、例えば100万円の過払い金請求の訴訟を起こした場合、申立手数料として印紙代が1万円、郵券代、資格証明書の取得費用と合計で約15,000円となります。
まとめ
裁判を起こすとなるともっと費用がかかると思っていた方も多いのでは?
必要書類に関しても、資格証明書以外はすでに手元にあると思いますので、ここまできていれば自分で訴訟を起こして裁判に持ち込むことで、より多くの過払い金を取り戻すことができます。
ただし、これから過払い金請求をスタートする方で「時間も手間もかけたくない」という場合や「裁判で自分の意見をちゃんと主張できる自信がない」という方は、やはり自分でやるよりも司法書士や弁護士に依頼したほうが、お金を手にする額も多くなり、手にするまでの期間も短くなりますのでお勧めです。
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